玄関アプローチは家族や来客が日々出入りする場所であり、
家の印象を決める大きなポイントとなっています。
玄関アプローチの印象を良くするには、安全性や防犯性などの機能性だけでなく、
デザイン性を重視すると良いでしょう。
この記事では、玄関アプローチの役割や素材、外構工事のポイントなどをご紹介します。
外構工事を検討されている方は、参考にしてみてください。
玄関アプローチとは
玄関アプローチとは、家の門柱から玄関まで続く通路を指しています。家の外にあることから、外構の分野に該当します。
玄関アプローチを設置しなくとも、門柱から玄関まで歩くことはできますが、
外構工事をしなければ土や砂利のままの状態で、移動時に危険が伴います。
安全かつ快適に移動する際には、玄関アプローチが役立っています。
また、玄関アプローチは門柱と同じく家の外から最初に目につく場所であり、
玄関アプローチの印象が家全体の印象を決めるケースも珍しくありません。
そのため、機能性とデザインの両方に着目することが重要です。
玄関アプローチに設置するエクステリアは、大きく分けて歩道と歩道以外の外構があり、
歩道以外の外構には主に以下のものが含まれます。
- 芝生
- 砂利
- 玄関スロープ
- 目隠し外構
- 郵便受け
- 照明
- カーポート
玄関アプローチの役割
玄関アプローチは、主に以下の5つの役割を持っています。
- プライバシー対策
- 防犯対策
- バリアフリー
- 雨除け・水はけ対策
- 子どもの安全確保
それぞれの役割について、詳しく解説します。
プライバシー対策
玄関アプローチは、プライバシー対策に大きな役割を果たすエクステリアです。
玄関扉を開けたときに、家の外から中が丸見えになってしまうと、誰もが気分を害するでしょう。
また、通行人と目が合ったり、部屋着姿を見られてしまったりすると、
お互いが気まずい思いをしてしまいます。
それも玄関アプローチを設置して目隠しにすることで、家の中の状態が外から見えにくくなり、プライバシー対策に役立ちます。
防犯対策
玄関アプローチは、プライバシー対策に加えて防犯対策にも役立ちます。
日本には玄関が道路に面している戸建住宅も多く、
玄関アプローチがなければ空き巣や覗きなどの不審者が直接家の中を見てしまう可能性があります。
玄関扉の開閉によって家族の帰宅時間を悟られ、外部に生活スタイルを知らせてしまう事態にもなりかねません。
それも玄関アプローチを設置することによって、直接視線が届くのを遮る効果を期待できます。
さらにカーブをつけておくと、侵入のハードルが高くなるでしょう。
万が一不審者が侵入しても周りから気づかれやすく、防犯対策に役立ちます。
バリアフリー
高齢化が進むなかで、玄関アプローチにバリアフリーを取り入れる家庭も増加しています。
バリアフリーは、特にリフォームを計画している家庭から多く要望を寄せられる設計手法です。
具体的には、階段に手すりをつける・車椅子でも登りやすいようにスロープをつける、などの手法があります。
家族に介護が必要な方がいる家庭だけでなく、足の悪い方の来客時や自分自身の老後のためにも、
バリアフリーは重要な設計です。
雨除け・水はけ対策
雨や雪が降ったときに玄関を汚したくない家庭にとって、玄関アプローチの設置は有効です。
外構工事を施工する前、玄関アプローチの設置箇所は土や砂利のままであり、雨や雪が降るとぬかるんでしまいます。
工事をしなくとも通行はできますが、玄関が汚れたり、滑って転倒したりする危険が高まります。
それも玄関アプローチがあることで、これらのリスクを抑えられるでしょう。
また、自宅の場所によっては水はけが悪い場合もあり、雨が降った後の水たまりに困っている方もいるでしょう。
それも玄関アプローチがあると、水はけ対策に役立ちます。
子ども の安全確保
子どもの飛び出しによる事故の予防策として、玄関アプローチには効果があります。
道路に面した家で、子どもが玄関を開けてそのまま勢い良く飛び出してしまうと、思わぬ事故につながりかねません。
それも玄関アプローチにフェンスなどの外構を設置すると、子どもの足を止める効果を期待できます。
玄関アプローチの素材
玄関アプローチに使われる素材には、主に以下のものがあります。
- タイル
- レンガ
- 枕木
- 石材
- インターロッキング
- 洗い出し
- 土間コンクリート
それぞれの素材の特徴や、おすすめの使い方を紹介します。
タイル
土を原料としているタイルには、正方形や長方形など、さまざまな形があります。
大きさや質感・色などのバリエーションが豊富で、建物に合わせたタイルを選べます。
汚れが落としやすく、メンテナンス性が高いのもタイルの特徴です。
色はベージュやグレーなどが一般的ですが、
玄関ポーチに使ったタイルもしくは似た色合いのタイルを玄関アプローチに使うと、
ポーチからアプローチまでに一体感を持たせることが可能です。
玄関アプローチにタイルを使う場合、必ず滑りにくい素材でできたタイルを選びましょう。
レンガ
粘土と砂・石灰を混ぜて焼き上げるレンガは、温かみのある茶色が主流です。
洋風の外構や自然の緑と相性が良く、時間の経過とともに味わいも生まれます。
濃淡の異なるレンガを使うとデザイン性が高まるほか、
同じ大きさのレンガを組み合わせやすくなります。
本物のレンガだけでなく、レンガ風に作られたコンクリートの素材もあり、
価格を抑えて雰囲気を出したい方に好まれています。
また、植栽の緑を引き立たせるアプローチを作りたい時にも、レンガはおすすめの素材です。
枕木
線路に使われる枕木を玄関アプローチに取り入れると、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。
枕木は耐久性が高く、線路での役目を終えても玄関アプローチへの使用は十分可能です。
レンガや砂利と合わせて使うケースも多く、安価で植物との相性も良いことから、
和洋どちらのテイストにも人気が高まっている素材です。
天然の枕木は、時間の経過による腐食やシロアリなどに影響を受けますが、
コンクリートでできた疑似枕木を使うといくぶん劣化を防げます。
石材
天然の石材のうち、玄関アプローチで多く使われるのは御影石や石英岩・石灰岩などです。
和洋どちらのデザインにも合わせやすいですが、御影石は日本の墓石に最も多く使われている石材で、
和のテイストに合う質感を持っています。
石材は正方形や長方形、乱形などさまざまな形があります。
同じ石材でも少しずつ模様が異なり、割れにくく丈夫な点が天然石材の魅力です。
大理石は高級感があるものの水に弱く、濡れると滑りやすくなるため、加工を施したものを選びましょう。
インターロッキング
インターロッキングとは、コンクリートでできた舗装材です。
ブロック同士をレンガ調にかみ合わせて設置するため、コンクリートやセメントなどは使いません。
遊歩道や公園などの施設に多く使われていますが、豊富なカラーバリエーションと滑りにくさで、
玄関アプローチにインターロッキングを取り入れる家庭も増えてきています。
インターロッキングは隙間があるため水はけが良いものの雑草が生えてくる可能性があり、
定期的なメンテナンスが必要です。
洗い出し
洗い出しとは、砂利や砕石を混ぜたコンクリートが全て固まる前に表面を水で洗い流すことで、
砂利や砕石を浮かび上がらせる手法です。
和洋どちらの雰囲気にも調和し、表面がザラザラしているため滑り止めの効果もあります。
砂利や砕石の色によって、玄関アプローチ全体の印象が大きく変わります。
土間コンクリート
土間コンクリートは、コンクリートを地面にそのまま固める手法です。
スッキリとしたモダンな印象だけでなく、明るいポップな印象や重厚な印象など、
仕上がりのバリエーションはさまざまです。
玄関アプローチの外構工事のポイント
玄関アプローチの外構工事を施工するときは、以下のポイントに着目することが大切です。
- 外観デザインとのバランスを揃える
- 立体性をもたせる
- 曲線をとりいれる
- アプローチに幅をもたせる
- 事前に費用を確認する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
外観デザインとのバランスを揃える
玄関アプローチと外観デザインを揃えると、統一感を持った落ち着きのある外観に仕上がります。
シンプルな建物に賑やかなアプローチを合わせても、
全体のバランスが合わず、ちぐはぐな印象になってしまいます。
それならば玄関アプローチと外観デザインの色調や雰囲気を揃え、
おしゃれなアプローチに仕上げましょう。
立体性をもたせる
玄関アプローチに奥行き感が生まれるよう、立体性を意識することも重要です。
そのためには、高さのある建物や樹木、中くらいの高さにあるフェンス、
低い場所にある門柱や花壇のそれぞれにポイントを置いてみましょう。
高さのバランスを工夫すると立体的に仕上がり、玄関アプローチ全体がおしゃれに仕上がります。
曲線をとりいれる
道路から家の中が直接見えないように、玄関アプローチに曲線を取り入れるのもおすすめです。
玄関と門の位置を少しずらすと、アプローチを曲線にできます。
アプローチをあえて曲線にすることで、おしゃれな雰囲気にできるほか、
家の中が見えないことで防犯効果もあります。
玄関を開けた時に、通行人と直接目を合わせる可能性も低くなるでしょう。
ただし、防犯効果を高めたいがあまり、植栽を必要以上に増やしたり、
デザインを複雑にしたりすると、死角ができてしまいます。
死角があると侵入者が隠れやすくなるため、適度な見通しを確保して、照明も設置しておきましょう。
アプローチ に幅とスペースをもたせる
玄関アプローチの機能性を高めるには、十分な幅を持たせておくことが重要です。
室内で人がすれ違うのに必要な通路の幅は、およそ78cmと言われています。
屋外では、荷物や傘を持ったり、コートを着たりする点を考慮すると、
通路の幅を120cmから150cmほど確保しておきたいところです。
また、車椅子利用のためにスロープを設置する際には、
玄関アプローチの十分なスペースが必要です。
バリアフリー法では、スロープの勾配が屋外で15分の1以下となることを基準としています。
これは10cmの段差を登るのに、150cmのスロープの長さが必要であることを意味しています。
スロープの幅に関しても、バリアフリー法では180cm以上が望ましいとされています。
事前に 費用を確認する
家を建てる際には、外構工事全体の費用を事前に確認しておく必要があります。
玄関アプローチは家全体の建築面積に含まれないため、設置費用は外構工事の予算に含めなくてはいけません。
外構工事の予算に含めるのを忘れると、こだわりを玄関アプローチに反映できず、
不満が残る場合もあります。
納得のいく玄関アプローチに仕上がるよう、予算計画をきちんと立てておきましょう。
予算に合わせて希望のデザインの玄関アプローチに仕上げるには、
経験と実績の豊富な業者に相談するのがおすすめです。
玄関アプローチの外構工事について相談がございましたら、ザ・ガーデンまでお気軽にお問い合わせください。