カーポートとガレージは雨や雪、紫外線などから駐車する車を守る役割は同じですが、構造や費用面で大きな違いがあります。
カーポートはガレージよりも安価で、狭い敷地でも設置できるメリットがあります。
さまざまな種類の中から、デザインの好みや予算、所有する車の台数、周りの気候環境などによって選ぶと良いでしょう。
この記事ではカーポートとガレージの違いや、カーポートの種類と選び方、自宅をおしゃれに演出するウッドカーポートについて解説します。カーポート選びの参考にしてください。
カーポートとガレージの違いとは?
カーポートとガレージは構造、設置に必要なスペース、費用、固定資産税がかかるかどうかなどに違いがあります。
構造の違い
カーポートは壁がなく、屋根と柱のみで構成されている駐車スペースのことを言います。
ガレージは屋根と壁があり、3方向以上が壁に囲まれている車庫のことです。
設置に必要なスペースの違い
カーポートは屋根と柱のみで壁がないのでスペースを必要とせず、狭い敷地でも設置できます。
ガレージは内部の駐車スペース以外に壁の分もスペースが必要になるので、ある程度広い敷地でなければ設置ができません。
費用
カーポートは屋根と柱のみなので本体価格がガレージに比べて安く抑えられ、基礎工事も柱の部分のみのため工事費用も安くなります。土間コンクリートなどの工事も含めて、車2台用で平均約65万円〜設置できます。
ガレージは壁がある分本体価格が高く、設置する場所全体に基礎工事をする必要があるので総費用が高い傾向にあります。車2台用で約180万円〜かかります。
固定資産税
ガレージは建物に分類されるので、固定資産税を払わなくてはなりません。屋根があり3方向以上が壁に囲まれている構造物で、なおかつ基礎で土地に固定されている場合は建物とみなされ、固定資産税が発生するためです。
カーポートは基礎で土地に固定されていますが、壁がないので建物に分類されず原則、固定資産税がかかりません。
しかし一定の条件を満たすと、カーポートにも固定資産税が課税されてしまいますので注意しましょう。
カーポートが向いている人
費用を抑えたい、車の出し入れを楽にしたい、設置スペースが限られているなどの場合には、カーポートの設置が適しています。
費用を抑えたい人
カーポートはガレージに比べて本体価格や工事費が安い傾向にあります。建物に分類されず原則固定資産税もかからないため、費用を抑えたい人におすすめです。
車の出し入れを楽にしたい人
カーポートはシャッターを開ける手間がかからず、すぐに車を出し入れできるメリットがあります。毎日の通勤や送り迎え、買い物などで何度も車を動かす人にはカーポートが向いています。
設置スペースが限られている人
カーポートは屋根と柱のみなので、敷地が狭くても設置できます。
特殊な形の敷地でも、柱を設置する場所や屋根の形、屋根の角度を変えることができるため、敷地の形に合わせて設置が可能です。
カーポートの種類
カーポートは形状、屋根の形、材質の違いによってさまざまな種類があります。
形状
柱の位置によって形状は3種類に分けられます。
片側支持タイプ(片流れ)
柱が左右どちらか片側だけにあるタイプです。柱の数が少ないので駐車や乗り降りの際に柱が邪魔になりません。費用は1台用と複数台用で大きく異なり、1台用であれば安価ですが、2台用以上だと製品代が高く、基礎が大きくなるため工事費も高額になります。
両側支持タイプ
柱が両側にあるタイプで、安定感があり風や積雪に強いメリットがあります。
カーポートの設置位置によっては、車が駐車場に入る際や車からの乗り降りの際に、柱が干渉してしまう場合があります。
後方支持タイプ
柱が後方のみにあるので、柱が邪魔にならず駐車や乗り降りがスムーズにできます。見た目がスッキリとして見え、開放感を感じられる形状です。強度を保つために基礎を大きくする必要があり、設置費用が高い傾向にあります。
屋根の形
屋根にはフラット型とアール型の2種類があります。性能に大きな差はないので、デザイン性や見た目の好みで選ぶと良いでしょう。
フラット型
平らな形状の屋根です。クールでスタイリッシュ、モダンな見た目で今の住宅の雰囲気に合うので、近年設置が増えています。屋根の形を自由に変えられるので、台形など特殊な形の敷地に合うよう加工ができるのが特徴です。アール型に比べて値段が高い傾向にあります。
アール型(ラウンド型)
ゆるやかなカーブを描いた形で、柔らかいイメージを与えてくれます。近年までの主流だったため量産体制が整っており、フラット型より値段が安い傾向にあります。
屋根の真ん中部分が高くなっているため隙間が多く、雨が吹き込みやすい点がデメリットです。
材質
カーポートの屋根材にはポリカーボネートなどのプラスチックと、アルミなどの金属が使われています。柱にはアルミとスチールの2種類のみが使われます。
ポリカーボネート
プラスチックの一種で強度、耐久性、耐衝撃性があるうえ、価格が安いため最も多く使われている屋根材です。透明性があるので、カーポートの下が明るくなるメリットがあります。製品によっては紫外線カット率が高いものや遮熱性に優れるものがあるため、車体のケアなど必要に応じて選ぶと良いでしょう。
FRP(Fiber-Reinforced-Plastics)
ガラスなどの繊維を混ぜて強度を上げた、プラスチック複合材の一種です。ポリカーボネートより強度や透明度が高い特徴があります。製品によっては遮熱性や防火性を備えたものもあります。価格が高いのがデメリットです。
スチール
スチール製の屋根は、ガルバリウム鋼板というスチールを波状に折り曲げることで強度を出したスチール折板(せっぱん)が主流です。強風や積雪への耐久力が高いため、近年の異常気象の増加で選ぶ人が増えています。
アルミ
軽くて丈夫な金属で、錆に強いのが最大のメリットです。錆対策をする必要がないのでメンテナンスが楽になるでしょう。スチールより価格が高い傾向にあります。透明性がなく直射日光を通さないので、夏場に車体が熱くなりにくいのが良い点ですが、逆にカーポートの下が暗くなってしまうのがデメリットです。
デザイン性が高く魅力的なウッドカーポート
カーポートには、アルミ製カーポートなどに木目調のシートを貼ったウッドカーポートもあります。
金属の頑丈さとデザイン性を両立させたカーポートで、木目調なので住宅や庭とも調和しやすく、周囲からカーポートだけが浮いてしまうこともありません。
いくつかのカラーバリエーションの中から、住宅の雰囲気に合わせて選べるのが魅力です。天然木ではないので防虫や防腐対策が必要なく、メンテナンスがしやすいのもメリットです。ウッドカーポートの製品には、LIXILのカーポートSCシリーズなどがあります。
カーポートを選ぶポイント
カーポートを選ぶ際にはデザインや予算で選ぶほか、車のサイズや台数、地域の環境に合っているかどうかも考えて選ぶことが重要です。
車のサイズ・台数で選ぶ
カーポートは駐車したい車のサイズや台数によって選びます。予算などに余裕があれば、現在所有している車よりもサイズが大きい車用のカーポートを選ぶのがおすすめです。
急な来客があった場合や、将来家族が増えるなどして大きい車に乗り換える可能性を考慮しておいたほうが、後々困ることがありません。
車のないときには作業スペースとしても、子どもの遊び場としても使えます。
カーポートのサイズは以下を目安に選びましょう。
- 高さ:車の全高+30~50cm
- 奥行:車の全長+60cm以上
- 幅:車幅+100~150cm
車のサイズを正確に測り、ドアを開けたとき、トランクを開けたとき、複数台停めたときの隣の車との距離感などを確認しておきましょう。
地域の環境に合わせて選ぶ
設置する地域の風の強さや積雪量などに合わせて、適切な強度のカーポートを選ぶことが重要です。風が強い地域は「耐風圧強度」の高いもの、積雪のある地域は「耐積雪強度」の高いものを選ぶと良いでしょう。
耐風圧強度
どのくらいの風圧に耐えられるかを風速に換算した数値で表したもので、各カーポートに設定されています。カーポートを設置する場所が風の強い高台にある場合や、台風の影響を受けやすい地域などでは、耐風圧強度の高いカーポートを選びます。
耐風圧強度は「基準風速」や「V0(ブイゼロ)」などと表記されています。
基準風速(V0)とは、過去の台風の記録に基づき、各地域の風害の程度や風の特徴に応じて国土交通省が定めた風速です。30m/s〜46m/sまであり、数値が高いほど風に対する強度が高いことを示しています。
耐積雪強度
カーポートの屋根の上に何cmまで積雪しても耐えられるかを表したもので、耐積雪強度〇〇cm相当などと表記されます。
一般地は〜20cm相当、積雪地は50cm〜相当、豪雪地100cm〜相当を目安にすると良いでしょう。
耐積雪強度の数値は、新雪を想定した数値であることに注意が必要です。雪下ろしを頻繁にできない場合、耐積雪強度の高いものを選ぶとよいでしょう。新雪と積もってから時間が経った雪とでは、重量に大きな差があるためです。
雪が降り積もり重みで圧縮された締雪(しまりゆき)や、雪が溶けたり凍ったりを繰り返し氷状態になったザラメ雪は、厚みが同じでも新雪の何倍もの重さになります。雪下ろしを頻繁にできない場合、耐積雪強度の低いカーポートでは耐えられず、倒壊する恐れがあるので注意しましょう。
まとめ
カーポートはガレージよりも安価で設置でき、狭い敷地でも建てられるメリットがあります。カーポートは実用性も考え、自宅の車のサイズや台数、住まいのある地域の環境に応じて選ぶことも大切なポイントです。
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