門扉(もんぴ)と聞くと、昔さながらの日本家屋の重厚な門構えをイメージしてしまうかもしれません。
重厚なイメージのものもありますが、近年では、おしゃれでモダンな門扉も多くなってきました。
門扉は、建物の出入り口に隣接する部分に設置するため「家の顔」としての役割があると思われる人も多いのでしょう。
「家の顔」であることは間違いないのですが、門扉にはそれ以外にも、とても重要な役割があります。
今回は、門扉の役割や、おしゃれでも押さえておきたい選び方と、施工事例3選をご紹介します。
1.門扉とは?
門扉(もんぴ)とは、建物の出入り口に設置される門のことで、マンションや一軒家の出入り口に設置されることが多いエクステリアです。
門扉を開けると、玄関アプローチを通り、玄関口まで続きますから、建物の顔と言ってもいいでしょう。
とはいえ、建物の顔と言っても「デザイン性」だけで選ぶことはNGです。
門扉に求められる役割は、大きく分けて下記の二つがあります。
- 防犯
- 安全性
それぞれを下記で、詳しくご紹介します。
2.門扉の防犯的な役割とは
門扉の設置は、「防犯対策」という重要な役割があります。
ですが「門扉は絶対に設置しなければならない物」ということではありません。
その敷地の環境や立地によって、門扉を設置しないケースもあります。
ザ・ガーデンと一緒に考えてみましょう。
①門扉の防犯的な役割「来訪者や侵入者を知ることができる」
門扉は、建物の敷地から外の道路や敷地への境界線でもあります。
敷地の中に入るためには、門扉を開くという動きが必要になるため、建物の住人は来訪者を察知することができますよね。
もしも、知らない人物が来訪してきた場合は、警戒するための時間稼ぎにもなります。
②門扉の防犯的な役割「プライバシーを守る」
門扉は来訪者を教えてくれる役割もありますが、室内を外から見えないように隠す役割もあります。
門扉があることで、室内だけでなく庭の様子も隠すことができます。
庭でくつろぎたいと思っても、門扉を含む外構が無ければ、外から丸見えになってしまいます。
外から見られていては落ち着きませんよね。
門扉(外構)の存在は、住人のプライバシーを守る役割もあるのです。
③「門扉が無い」は、防犯面が弱い?
敷地と建物の構造上、門扉を含む外構を設置しないケースもあります。
門扉(外構)が無い場合、防犯的に大丈夫なのか、心配になる人も多いのではないでしょうか。
結論を言いますと、門扉(外構)が無いことで、防犯対策となる場合もあります。
門扉(外構)が無いということは、敷地内だけでなく、室内の様子も外から確認することが可能ですよね。
カーテンやブラインドで外から見えないように工夫されていても、カーテンやブラインドに触れれば、揺れることもありますし、揺れている様子を外から確認することができるのです。
もしも建物内に不審者が侵入した時には、カーテンやブラインドが揺れることで、不審者の存在を外にいる人に知らせることが可能になります。
門扉の設置は、侵入者を防ぐためのエクステリアですが、侵入された場合は、外構が不審者を隠してしまい、建物や敷地内で起こっていることを、通行人に知られないようにしてしまうケースもあるので注意が必要です。
門扉(外構)が無いことで、外から不審者の存在や動きを知ることができ、「家族が危険を回避することができる」という点での防犯対策となります。
3.門扉の安全面の役割とは
門扉は防犯面でも大切な外構ですが、住む人の安全を守るためのエクステリアでもあります。
①門扉の安全面の役割「子供の安全を確保する」
建物の住人は「大人だけ」とは限りません。
ハイハイしている赤ちゃんや、走り回ることがお好きなお子様もいらっしゃいますよね。
門扉(外構)が無い場合、遊びに夢中になっている子供たちが、敷地外に飛び出してしまい、事故に合うケースもあります。
子どもたちが敷地外(道路)へ飛び出すことを防いでくれるため、門扉を設置することは、安全性を高めることになるのです。
②門扉の安全面の役割「敷地内を区別する」
敷地内の庭は、お子様たちの遊び場という役割だけではありません。
自家用車を所持している場合は「駐車場」としても活用しますし、建物や庭をメンテナンスするための道具を置く「倉庫」を設置するケースもあります。
門扉を含む外構は、下記の区別をつけるための設備でもあるのです。
- 駐車場や倉庫などの遊ぶ場所ではないゾーン
- 遊んでも大丈夫な場所
「車がいない時は、駐車場で遊んでもいいけれど、車が駐車場にあるときや、入ってくるときは、駐車場にいたら危ないから遊ばないでね」としっかり子供たちに伝えていきましょう。
子どもたちも門扉を庭の境目と見ることが多いのです。
「門扉からあちら側の庭は遊んでもいい場所、車がある方は遊んではいけない場所」と区別をつけやすくなります。
4.門扉を選ぶ時に必要なポイントは?
門扉は「建物の顔」とも言える外構ですが、デザイン性にばかりこだわることはおすすめしません。
デザイン性を重視しながら、どのような外構を設置していくか、一緒に考えていきましょう。
①門扉を選ぶポイント「デザイン性」
門扉を選ぶポイントは、建物との調和を考えたデザインのものを選びましょう。
一例ですが、建物には下記のようなタイプがあります。
- モダン
- 洋風
- 和風
建物のスタイルに合った門扉を選ぶことが大切ですが、門扉の素材のバリエーションはとても豊富です。
門扉を含む外構は、簡単に作り変えることができないエクステリアですから、どの素材の門扉を選べばいいのか迷いますし、慎重になりますよね。
下記の二つの素材は人気があるだけでなく、使い勝手が良い門扉です。
- アルミ鋳物
- 木目調のフェンス
アルミ鋳物の門扉は、デザインを工夫することで、重厚感や高級感だけでなく繊細なイメージを与えることができます。
色も、黒やシルバーの物がありますので、スタイリッシュな印象を感じさせてくれますよ。
バリエーションが幅広いので、とても人気の素材です。
木目調のフェンスは、自然の温もりを感じさせてくれます。
更に植物と組み合わせることで、柔らかな印象を与える門扉です。
ナチュラルテイストの建物だけでなく、モダンな建物にもピッタリの素材ではないでしょうか。
②門扉を選ぶポイント「防犯性」
目隠し機能のある門扉やフェンスは、防犯性を高めてくれる効果があります。
門扉(外構)は、玄関や庭を、外部の視線から遮断してくれるエクステリアです。
上記でもデザイン性のある門扉の素材をご紹介しましたが、木目調やアルミ鋳物製の門扉は「目隠しフェンス」としても使用され、外からの視線をさえぎる効果もあります。
門扉の平均的な高さは1.2mです。
ですが、デザイン性と防犯性を考慮して、1.8mという高さの門扉が採用されることもあります。
圧迫感を与えない、おしゃれなデザインの門扉は、住人が過ごしやすい空間を作ることが可能です。
建物とのバランスを見て決めていきましょう。
更に、スリット付きのデザインの門扉は、風や光を取り入れるだけでなく、視線をさえぎることができるので、プライバシーを保護することもできます。
そして門扉の奥に植物を配置する手法「アイスポット」は、「視線を植物に誘導して、玄関や窓への視線をずらす」という設計手法 も活用されています。
防犯性を高めるため、さまざまなパターンでの門扉(外構)の設置が可能ですので、ザ・ガーデンと一緒に、防犯性の高いおしゃれな門扉の設置を検討していきましょう。
③門扉を選ぶポイント「利便性」
門扉選びで、重要なポイントは「利便性」です。
デザイン性や防犯性を高めたとしても、使い勝手が悪ければ、良い門扉(外構)とは言えません。
住んでいる人たちの現状だけではなく、将来のことも視野に入れて、使い勝手の良い門扉を選んでいきましょう。
取手の部分は「手で回すアルミ製の取手タイプ」が主流ですが、利便性を重視する顧客には、四角いタッチ式の取手が選ばれる傾向が多くなってきました。
- ベビーカー
- 自転車
自家用車だけでなく、上記のアイテムを使用する頻度が多いご家庭におすすめです。
そして電子錠やタッチ 式の開閉システムのある門扉が選ばれています。
- 門扉の開閉がしやすい
- 鍵がしっかりかかる
開閉システムがあるので、「きちんと鍵が閉まったかな」という不安を無くすこともできますから、実用性と防犯性の両立ができます。
- 両手で荷物を持つことが多い
- 子供たちと手をつなぐことが多い
という場合にも「使い勝手が良い」と、好評をいただいているので、ぜひ検討してくださいね。
④門扉を選ぶポイント「耐久性」
門扉を選ぶポイントとして、耐久性も重要視しておきましょう。
門扉として活用されている主なタイプは、下記になります。
- 扉を2枚設置して開閉する「両開きタイプ」
- 扉を1枚で開閉する「片開きタイプ」
どちらのタイプでも、重要視しないといけない部分は「ヒンジ」です。
ヒンジは、開閉する時に重要な働きをする部分で、長い時間稼働します。
更に、外に設置され風雨にさらされる部分なので、しっかりした設計で制作された門扉を設置しましょう。
門扉のヒンジ部分のトラブルのパターンは下記になります。
- 風が強い時に急に開く(または閉まる)
- ヒンジが緩んで、門扉を締める際に噛み合わせが悪くなる。
定期的なメンテナンスも必要ですが、リフォームの時には、ヒンジの部分や落とし棒の修理や交換もおこないましょう。
門扉を含む外構は、野外で風雨にさらされていますから、門扉自体の耐久性も大切ですが、しっかりしたお手入れ(部品の交換や修理)をすれば、長持ちしてくれます。
建物と同じように、しっかりメンテナンスをして、おしゃれで安全な門扉を維持していきましょう。
5.おしゃれな門扉の施工事例3選をご紹介!
①プライバシーを守るアルミ鋳物門扉
玄関アプローチと中庭が共有スペースになっているお宅でも安心してプライベートな時間を過ごせるように、デザイン性と機能性を兼ね備えたアルミ鋳物の門扉を設置しました。
この門扉は、外からの視線を遮りつつも、おしゃれな透過デザインで圧迫感を感じさせません。明るい雰囲気の中庭を楽しめる工夫がされています。
②防犯性とデザイン性を両立した高い門扉
敷地をぐるっと囲っているエクステリア(外構)で、防犯面を強化しています。
塀は、圧迫感を感じさせない優しい色合いのグレーのタイルと、光と風を通す透かしの門扉が使用されているエクステリアです。
建物から続く奥行きのある屋根は、門扉も覆うように作られ、荷物を持っていても、門扉の開閉時に雨に濡れないように配慮されています。
③高い防犯性と使いやすさを備えたクローズ外構
敷地をしっかりと守るために、敷地全体を囲うクローズ外構を採用しました。デザイン性の高いアルミ鋳物の門扉を選び、壁で覆われた空間に自然と調和しています。門扉は透過性があり、外からでも人の動きがわかりやすく、防犯面での安心感を提供します。また、正面には植栽を配置して、門扉越しに奥行き感を演出。植栽自体も見どころの一つとして、美しい景観を楽しめるデザインに仕上げました。
④温かみのある木目調の門扉で安心の外構
交通量の多い通りに面したお宅に最適なデザインを提供しました。温かみのある木目調のアルミ門扉は、他の外構デザインとも調和し、自然な雰囲気を演出しています。また、目隠し効果のある門扉を採用することで、防犯性とプライバシーの確保にも配慮しています。
6.まとめ
今回は、門扉の役割や、おしゃれでも押さえておきたい選び方と施工事例3選をご紹介しました。
門扉は「家の顔」だけではなく、建物の住人を守る役割もあります。
そのため、おしゃれなデザインだけでなく、以下の要素も考慮して門扉を選びましょう。
- 防犯性
- デザイン性
- 利便性
- 耐久性
「門扉を制作しているメーカーはたくさんあるから、どれを選べばいいのかわからない」という方も多いと思います。
ザ・ガーデンでは、家族の雰囲気にあわせて、お好みの最適なエクステリア(門扉)をご提案しています。
心地の良い過ごしやすい場所になるように、一緒に考えていきましょう。
上記でご紹介した門扉以外にもフェンスや目隠しの施工事例をご紹介しております。
ぜひ興味がございましたら、ご覧ください。